黒川鶏冠山(黒川山)に登ってきた

2019年のゴールデンウィーク前半は、ずっと天気が悪く更に寒気が入ってきていた為、山は大荒れだったようです。後半に入り、天気が回復し気温も上昇してきたので、奥秩父にある鶏冠山(けいかんざん)を登ってきました。
※ 同じ漢字の鶏冠山(とさかやま)ではありません

この鶏冠山の東側中腹には、有名な黒川金山遺跡があります。数年前に、黒川金山遺跡を訪れた事がありました。その時は、三条大橋から入り、途中まで旧青梅街道を辿りそこから金山遺跡をめざし谷をつめていきました。

落合集落から登ってみたい

今回は、以前から通ってみたいと思っていた、国道411号線沿いの落合集落にある登山口から延びる登山道を通り黒川鶏冠山へ登ってみました。

黒川鶏冠山へは、「柳沢峠 – 六本木峠 – 横手山峠 – 鶏冠山」というルートが高低差が小さく一般的です。

ではなぜ一般的なルートではない落合集落から登ってみたかったのか?といいますと、この登山道は黒川金山遺跡研究会が金山遺跡へ入山していたルートなのです。

黒川金山遺跡調査については、以前読んだ「戦国金山伝説を掘る」に詳しい。

また、黒川金山遺跡研究会の報告書は、こちらからPDFでダウンロードできます。

登山ルート

落合 – 落合口 – 鶏冠山横手山峠分岐 – 鶏冠山(奥宮) – 黒川山三角点 – 横手山峠 – 鶏冠山横手山峠分岐 – 落合口 – 落合

本当は、鶏冠山へ登った後に黒川金山遺跡まで足を延ばしたかったのですが、久しぶりの登山ということで!山頂でのんびりして帰って来ました。

落合 – 落合口

落合集落付近の国道411号線沿いに少し広くなっている場所があるので、そこに車を停めます。以前、金場沢で砂金を採ったときに停めた場所です。駐車スペースから2,3分歩くと落合口が見えてきます。

落合口 – 鶏冠山横手山峠分岐

飼い犬にジーーっ見られながら民家脇を通り、鹿柵で囲われた林の間を進んでいくと途中で炭焼き窯の跡がいくつか見る事ができます。いつの時代の物か分かりませんが、それほど古くはなさそうに見えました。この辺りは、マサと細かい砂で覆われていて、笠取山登り口の作場平と似たような地質になっています。もちろん、大量の金雲母でキラキラしています。

鶏冠山横手山峠分岐には、4本の道が交差していて、それぞれ、「落合口」「鶏冠山」「横手山峠」「巡視道」と立て札が立っています。

この巡視道はどこへ向かうのでしょうか?黒川金山遺跡研究会の人々は、この巡視道を東へ進み発掘現場へ通っていたのかな?と想像しつつ鶏冠山を目指します。

鶏冠山横手山峠分岐 – 鶏冠山(奥宮)

ここから急に大きな苔むした岩がゴロゴロと転がる中を進んでいきます。「鉱山から掘り出した岩には苔が付きやすい。」とどこかで読んだ気がしますが、ここの岩は、北斜面で湿っているから苔が付いただけな気がします。

稜線へ上がり、目の前の巨岩上のピークではなく、その更に東側の岩の上に鶏冠神社奥宮が建てられています。この場所の東側の山腹に黒川金山跡がありますから、立っている真下辺りを鉱脈が通っているのだろうか?眼下にある森を見ながら想像してみます。ふと気がつくと、登り口とは異なり石英脈が通るような岩が転がっています。

遠くに目を向けると南に開けていて、真っ白な富士山と大菩薩嶺がきれいにみえました。大型連休で低山へ登る方が少ないのか、誰も居ないピークをしばし独り占めです。

鶏冠山(奥宮) – 黒川山三角点

地図によっては「見晴台」となっています。鶏冠神社奥宮前で、景色を堪能したのでここはさらっと流すか?と思っていたのですが、いざ到着してみると、名前の通り素晴らしい景観です。

ここは南北に開けていて、南に大菩薩嶺、富士山。北を見ると目の前に藤尾山、遠くに飛龍などの奥秩父主峰を眺められます。

一ノ瀬林道があの辺り?モリ尾根があれか?ということは龍喰谷はどこだろう?石保戸山があれだから、一ノ瀬高橋の集落は・・?などと眺めていて気づくと軽く1時間近く経っていました。

黒川山三角点 – 横手山峠 – 鶏冠山横手山峠分岐-落合口

ここからは明るいきれいな下山道を黙々と下ります。道脇のクマザサなどが刈られていてとても歩きやすい。クマザサの藪には、マダニがいるから藪漕ぎをしないですむのはありがたい。足取りも軽く下山をしていくと、途中で獣臭が漂ってきました。大抵はイノシシだと思うのですが、この辺りにはツキノワグマが多く生息しているらしいので、鈴を振り回しながら歩きます。単独行はこういう時に少し不安です。歩くスピードや休憩時間などは自由でとても良いのですが。

落合口 – 落合

登り始めが06:00頃、下山が10:30頃。上でかなりの時間ぼんやりしていたので歩いていた時間は正味2時間30分くらいでしょうか。これなら黒川金山遺跡まで行けばよかったなぁ・・・

金場沢出合い付近で砂金採集

車を停めた場所のすぐ下流辺りで、柳沢川に金場沢が合流しています。この出合いの上流は大きなナメ滝になっていて、砂金があれば絶対に引っかかっているに違いない!ということで、軽く砂金を探してみました。詳細は次回 🙂

黒川鶏冠山(黒川山)に登ってきた」への5件のフィードバック

  1. 令和2年、新年おめでとうございます。
    愉しいブログに初めてお邪魔させていただきました。山梨県のこと、興味深く、殊に黒川鶏冠山は、格別。
    大菩薩が大好きですが~登山初心者の老人には単独で歩ける範囲は、メインに限られ、このコースを歩けません。いずれは大菩薩嶺から延びる尾根尾根を全部歩きたいと思っています。
    書籍のご紹介では、山梨の知りたかった歴史の知識が得られそうで、地方病の歴史と共に、大変役に立ちました。

  2. 令和2年、新年おめでとうございます。
    愉しいブログに初めてお邪魔させていただきました。山梨県のこと、興味深く、殊に黒川鶏冠山は、格別。
    大菩薩(無雪期毎月登る)が大好きですが~登山初心者の老人には単独で歩ける範囲は、メインに限られ、このコースを歩けません。いずれは大菩薩嶺から延びる尾根尾根を全部歩きたいと思っています。
    書籍のご紹介では、山梨の知りたかった歴史の知識が得られそうで、地方病の歴史と共に、大変役に立ちました。有難うございました。どこかの山でお会いするかもしれませんね(笑)
    今年一年のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。(埋蔵金の発見も!)

    1. ロミさん
      コメントありがとうございます。
      元々は地元の丹沢へよく行っていたのですが、奥秩父(山梨側)の魅力に取り付かれてからは丹波山村周辺ばかりです。松姫様が大菩薩からどちらへ抜けたのかなどと考えながら地図を見ると、大菩薩周辺はおもしろいです。
      どこかでお会いできることを楽しみにしております! (既にすれ違っているかもしれませんが!)

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