2022年の冬は日本各地で大雪が降りました。しかし、関東地方では空っ風が吹き晴天な毎日です。それでも2月も後半となると、徐々に暖かい風が吹き始め春が近づいていると感じる陽気が続いています。
そんな初春の晴れた日、リモートワークで鈍った体を慣らしに丹波山村の高尾天平へ軽くハイキングへ出かけてきました。
※ 貝沢から藤タワへ至る遊歩道は階段崩壊の為、通行止めです。
高尾天平
丹波山村周辺で登山をする人なら飛龍へ登る途中にある「丹波天平」はご存知だと思います。しかし、丹波川を挟んで反対側の「高尾天平」はあまり知られていないかもしれません。というか登山をする人には軽すぎて目に入らないかも。「道の駅たばやま」から丹波川を眺めて正面右側にある山付近が「高尾天平(1024m)」になります。
たばやま散策マップより抜粋
昔々、小菅村から大菩薩峠を越えて塩山へ抜けるのに使われていた、牛の寝通りと呼ばれる古道があります。そして牛の寝通りと同じように、丹波山村から大菩薩峠へ抜ける古道もあります。
その古道の一部が高尾天平を通るハイキングコースとして整備され「たばやま散策マップ」にも記載されています。貝沢から藤タワまでの間は、沢沿いの高いところを通ります。しかし、心配無用。危なそうな箇所には柵が設けられ安全に通行できるように配慮されていたりと、グリーンロードよりも登山寄りのハイキングコースなのです。
この季節はまだ北斜面に雪が残っていそうだけれど、尾根へ登ってしまえばきっと雪は消えて暖かいハイキングコースをのんびりと堪能できるはずです。
コース
貝沢から入るか?ローラー滑り台の近くから入るか?悩むところではあります。しかし、今はまだ少し雪が残っている季節。北斜面が凍っていたら、そこを降る事は避けたいです。というわけで貝沢から入りました。
貝沢は地形図を見ればわかるようにサカリ山(1541m)から北東へ流れ出す沢と芦沢山(1272m)の南側からの沢が集まっています。
サカリ山付近は花崗閃緑岩が地表に現れています。この地域付近では花崗閃緑岩塊の境目に熱水鉱床として金鉱脈が作られるので(有名な黒川金山はこのタイプ)、この貝沢は砂金がありそうな雰囲気なのです。今回、このコースを選んだ理由の一つとして、砂金掘りができそうな場所があるかどうか、偵察をしたかったということもあります。
雄滝雌滝見学
車は、村営釣り場の駐車場に停めさせてもらい「雄滝雌滝」を見学に行きました。村営釣り場から徒歩5分くらいでしょうか。前方に2段になった滝が見えてきます。この季節は滝が凍っていてなかなか美しい。滝見展望台までの道は、人が結構あるいているようで、足跡部分が凍結しています。怖いです。
雄滝雌滝がよく見える展望台があるのですが、床板が古くなっていて怖いです。足下注意です。
貝沢
国土地理院地形図では、貝沢に沿って両岸に道があるように描かれています。しかし、見た感じでは左岸の道は見つけられず、右岸の整備された林道を上りました。雪が降った後に1台車が通ったタイヤ痕が残っていましたが、途中でそれも消え、雪上には幾人かの足跡と鹿っぽいのと犬っぽい動物の足跡が見られました。
河床から林道までの高度差が5-6mあり簡単には降りられそうにないなーと歩き続けていると、前方に立て看板が見えてきます。なんと登山道崩落の為、立入禁止だそうです。
引き返すべきか、いけるところまで進むか・・・
今回は砂金採りができそうな場所を探したかったというのと、積雪が10cm – 20cmで柔らかくアイスバーンにはなっていなかったので、行かれるところまで沢の様子を見ながら上がってみることにしました。
きれいに整備された登山道は、ところどころで柵が崩落していたり、橋がベコベコに壊れていたりしますが、通行には問題ありません。徐々に歩道と沢の高度差が無くなり、両岸の岩に閃緑岩が混ざる様になってきました。いい感じに洗濯板状の盤が出ていたり、軽い落ち込みも多数あります。これは夏に一度来てみる必要がありそうです 🙂
貝沢から藤タワへ上がる道は、枝沢を詰めるように付けられています。貝沢から枝沢へ入るところに階段があるのですが、その下2mくらいが2019年の台風19号の大水で削られてしまっています。この階段の修理が終わらないと通行止めは解除にならないんでしょうね。
階段にはトラロープがぶら下がっていましたが・・・なんだか余計に危険な気がします。
足元の雪面には人と犬の足跡が付いていて、よく見ると所々に血痕的なものが・・・これは猟で撃たれた獲物が逃げた痕なのかなぁ。
藤タワ
大菩薩からの道と貝沢からの道がぶつかる峠です。日当たりの良い尾根なのでほとんど雪はありません。
貝沢側へ降りる道には通行止めの柵が置かれているのが見えます。たしかに、藤タワから貝沢へ降りるのは危ないのでやめたほうが良さげです。
この峠(藤タワ)からマリコ川沿いに下る道もあるのですが、理由はわかりませんが通行止めになっていました。マリコ川にも興味があるのですが、谷筋は日陰で凍結していると歩きにくいという判断で、予定通り「高尾天平」への尾根に乗ります。
高尾天平
ここは日当たりがよく、暖かくて心地の良い場所です。雪が無かったらお昼寝に良さそう!
東屋やベンチがあり、地元の方もハイキングに来たりするのかなー?なんて考えながら、初春の山道を楽しみました。
高尾天平からの下りは所々雪溜りがありましたが、凍結はなくアイゼンを付ける事もなく最後まで降りられました。その代わりといってはなんですが、グリーンロードは入り口が凍結していたので、車道をそのまま下り村営釣り場へ戻りました。
帰りに道の駅でなにか野菜を買いたかったのですが、時期的に何も置いておらず、珍しい柑橘類「はるか」を購入して帰宅しました。静岡産らしいですが・・・
山を歩くのはほんと久しぶりで、リモートワークで体が鈍っているのを実感しました。今年も新緑の季節を楽しみたいので、少し減量しなくちゃ!健康診断も近いですし。