10月に入り、朝晩は肌寒いくらいの陽気になってきました。紅葉には少し早いですが、秋の低山を楽しむのには良い季節です。
あいにくの空模様の中、以前から気になっていた「藤尾山(別名: 天狗棚山)」へ出かけてきました。
いつもの「道の駅たばやま」に到着すると気温15度。涼しいです。
藤尾山(天狗棚山)
国道411号線沿いにある標高1606mの山。登山地図に藤尾山へ登るルートは記載されていませんが、犬切峠から防火帯が伸びているようなので、尾根にはきっと道があるはず。
遠くから見ると小さいけれども、きれいな形をしています。横は何度も通過するのですが、地質的に金とはあまり関係が無さそうなので今まで登る機会がありませんでした。
落合の東側に「藤尾」と呼ばれる集落があります。旧青梅街道が柳沢川を渡る橋は「藤尾橋」という名前です。藤尾という地名の北側にあるから藤尾山と名付けられたのは納得できるのだが、なぜ天狗棚なのか。
瓜生卓造 著「多摩川源流を行く」で、瓜生氏も名称の由来が気になっている様子。しかし、結局のところわからないそう。(P.225)
一般的に天狗棚と呼ばれる地名は、天狗が住まう場所と言われています。案外、山中に栃の木が多いから・・・などという軽い理由だったりするのかもしれない 🙂
想定コース
藤尾山は小さな低山なのでこの山だけを登に来るのではなく、犬切峠に車を停めて、藤尾山、石保戸山と周辺の山々を歩き回る山行が一般的だと思います。
しかし、今回は藤尾山だけ。犬切峠より下にある、鶏冠神社里宮付近から山中を通り犬切峠へ抜ける道、昔の人々が犬切峠へ上がる生活道路歩いてみたいと思います(歩いてみたら昔道かどうか自信がなくなりました
登り始め
車を停めると周辺の草むらで地元の方々がなにかを採っています。ちょっと時期が遅いかもしれないけれど・・・きのこかしら?出発の準備をしているうちに、地元の方々は、いつのまにか居なくなっていました。なにを採っているのか聞きたかったのに!
200mほど車道を進むと脇道が見えてきました。あれ?思っていたのと違うな。もっと昔っぽい道を想像していたのですが、これは明らかに車が入れる道です。林業の方々が木材の運搬などの為に使った道。そんな雰囲気を感じます。
薄くわだちが残っています。それでも徐々に苔に覆われ始めています。
現在ではほとんど人の出入りが無く地面が苔で覆われています。美しい。最近では、苔が人気なようで、北八ヶ岳に苔を見に行く人もいるのだとか。
北八ツの苔も美しいですが、この道に広がる苔の絨毯も負けてはいません。写真ではそれほどでもありませんが、実際はもっともっときれいです。
途中、古い碍子が転がってるのを見かけました。ということは、昔は、この道沿いに電柱が立てられ、電線が通っていたということです。一ノ瀬集落方面への電線?それとも、林業機械の電源用途でしょうか。
轍はここまで。この広場で木材の長さをそろえたり、荷台に積み込んだりしていたのでしょう。天気が良ければ最高のお昼寝スポットです。車道から離れているので、とても静かです。たまに、葉っぱの落ちる音やどんぐりが転がる音が聞こえてくる以外、シーンと静まりかえっています。
広場でぼんやりしていたら、いつのまにか近くまで猿が寄ってきていて威嚇されました。お猿にとってもお昼寝スポットの場所なのかも!
車道と分かれて山道へ入っても、安定した路盤が続いています。が!なぜか道の真ん中に、ブナの若木が生えて・・・いえ、植えられています。廃道化への第一歩?
なんて事を考えながらダラダラ歩いていると、いつの間にか犬切峠に到着です。
犬切峠
林道一ノ瀬線が開通する以前、一ノ瀬、二ノ瀬、三ヶ瀬集落から外へ出には、この犬切峠を越えるしか方法がなく交通の要衝でした。
※ 実際は、険しい山道がいくつかあります
2019年秋の台風19号の影響で、林道一ノ瀬線の大常木谷付近で路盤の崩落があり、現在通行止めになっています。路盤が崩れてしまっているので復旧にはかなり時間がかかると思われます。
はからずも、昔と同様、犬切峠が唯一の外部との接点になっているのです。
そして案内はありませんが、藤尾山への登山道です。自動車、バイク、自転車の進入禁止と書かれています。
藤尾山(天狗棚山)
防火帯の脇に踏み跡があります。そこを上がっていきます。
どこにも「至 藤尾山」とは書かれていないので、地図で藤尾山へつながる尾根に乗っている事を確認しつつ進みます。
尾根自体は緩やかな上りですが、両側は結構な急斜面になっています。これが遠くから見てきれいに見える理由なのでしょう。
防火帯は草木が切り払われ開けています。しかし、防火帯から外れた両サイドは密な笹薮になっています。そしてよく見ると、所々に踏み跡が奥へ続いています。
いくつか分け入ってみました。どこへ向かうのか不明のわりに踏み跡は強め。
これはなんだろう?と考えてみるとアレかもしれません。踏み跡の先には、大抵大きなミズナラが生えているのです。残念ながら10月ではもう時期を過ぎてしまっていますが、それでも最近も踏んだ跡がありますので、きっと今でも採れるのでしょう。
防火帯を上り詰めると、その先はやはり笹薮になっていて、薄い踏み跡が奥へ続いています。地図とGPSを確認し方向を定めてから突っ込みます。
ヤブを進むこと少し。ようやく山頂(?)へ到着
残念すぎる山頂
ここが山頂?三角点だけ?え?みたいな。登山道が通っていない低山の山頂はこんなもんです。石保戸山も似たような感じですし。
「藤尾山」とかかれたプレートくらい欲しい!
と思う人はやはり居るみたい。三角点近くの白樺?の幹に「藤尾山 1606.3m」と 書かれていました(笑
登りはアレが有るかも!と枝道に入りまくって1時間くらいかかっちゃいましたが、下りは一気に降りてきたので一瞬です。
今回歩いたコース
帰りはのめこい湯
朝早かったので、柳沢川の金場沢前に車を停めてゴロゴロ。ふと気づいたらいつの間にか15時。あぁぁ、砂金採りしたかったのになぁ・・・と思ってたら、二度寝してました(笑
今週ののめこい湯と食堂はとても混んでました。ぱっと見た感じだと、ツーリング、登山客が増えているような印象です。一時期はガラガラで心配していました。これから紅葉シーズンに入りますし、賑わうと良いですね。
露天風呂に入ると、どこからか金木犀の香りが漂ってきます。よく見ると露天風呂のすぐ脇に金木犀が植わっています。今日の男湯は「ローマ風呂」でしたが、「和風風呂」も金木犀が植わっているのかな?
トイレの芳香剤をイメージして嫌いな人もいるかもしれませんが、ぼくは大好き。秋の香りです。
今週も良い週末でした。