丹波山金山 不動滝遺跡 – 丹波山村 グリーンロード –

舟越金山遺跡、源太川遺跡、不動滝遺跡、半谷川遺跡などの総称を「丹波山金山遺跡」と呼ぶそうです。

源太川遺跡へは、以前行った事がありblogに記事を書いてあります。

2020年4連休初日の7月23日、源太川遺跡のお隣にある「不動滝遺跡」を見学してきました。

本当は・・・

今週は、梅雨の終わりの大雨が降り続いていて、川は確実に増水し濁っている事は分かっていました。十中八九、砂金採りはできないだろうなぁと思いつつ、あわよくば新しい盤を探したいと出かけたのですが・・・

「道の駅たばやま」から見た丹波川の様子です。予想以上に濁流です。これは危ない。上流域でかなりの降水があったのでしょう。

この時点で砂金は諦めて不動滝遺跡を見学する事しました 🙂

不動滝遺跡へのアクセス

国道411号線を丹波山村役場から塩山方面へ進み、奥秋の「子之神社」を過ぎ1Km弱進むと、進行方向右側に数台駐められる駐車場が見えてきます。

以前から、この駐車場はなんのために作られているのだろう?と疑問に思っていました。

実はここ、「奥秋キャンプ場」脇から入る「グリーンロード」の終着地点になっていたのです。そのための駐車場なのかな?

駐車場脇に橋の下へ向かう小道があります。

苔が微妙に滑りますので注意です。苔むして美しい・・・のですが本当に滑ります。この先には、「山吹橋」という立派な橋が架かっています。

橋を渡れば、いよいよ「不動滝遺跡」が見えてきます。

不動滝遺跡

源太川遺跡と似た案内看板がひっそりと設置されています。

説明文を書き起こしておきます。

丹波山金山 不動滝遺跡 戦国・江戸時代の砂金採掘跡

丹波山村南西部の舟越山と芦沢山一帯にあった舟越金山遺跡と、丹波川沿いにある不動滝遺跡、源太川遺跡、半谷遺跡などの総称を、丹波山金山遺跡と呼んでいる。

不動滝遺跡は、丹波川南岸の河岸段丘上、標高685mにある。不動滝の流れる山腹からなべそこといわれる土地には、人工的な窪地が多数あることから、砂金採掘跡が発見された。丹波山村教育委員会・丹波山金山遺跡学術調査団は、平成15年(2003年)夏に、藪におおわれたこの地を草刈りし、測量調査と発掘調査を行った。採掘抗15ヵ所、水路状遺構5ヵ所、テラス2ヵ所、集石遺構30ヵ所を確認した。採掘抗はスリバチ場の径30m~4m、深さ3mの穴で、発掘した抗底の川砂から黄金色の砂金粒が出土した。導水した水路跡の石積みもよく残っていて、この採掘抗と水路などが芝金(古い川床の芝地にある砂金)を求めて穴を掘り、水を流して砂金を選鉱する「大流し法」で作られたものと推定される。テラス(平場)は金掘りの作業場や小屋跡と推定される。

砂金採遺跡の調査は、全国でも北海道美利河遺跡、岩手県猪川館跡に次ぐまれな例で、山梨県身延町大炊平金山遺跡や静岡市安倍金山などにもみられる。丹波山金山遺跡は戦国時代(約500年前)~江戸時代中期(約250年前)頃に武田氏や徳川幕府の保護のもと金山衆により甲州金を産出した文化遺産として、著名である。

不動滝遺跡遺構全体図をみると、かなり大規模に掘っていたようです。そして地面の凹凸は写真に写りにくい。

かろうじて凹みが分かると思います。しかし、目でみると結構大規模に凹んでいます。

苔におおわれた気持ちの良い空間

写真をみてわかるように、辺り一面が苔におおわれています。歩いている人は居らず、梅雨特有のしっとり湿った空気が心地よいです。聞こえてくる物音は自分の足音と時折葉っぱから落ちる雨だれの音のみ。

とても癒やされます。ゆっくり、ぼんやり、グリーンロードを歩いて行くとそこにはドキッとする光景が広がっていました。

熊ですか?そうですか

丹波山村周辺の山中を歩いていると野生動物の跡をよく見かけます。例えば、鹿。少し草むらへ入ると鹿糞は至る所に転がっています。猿も見かけます。砂金を探している時に、ふと視線を感じて見上げると猿がじっとこちらを伺っていたり。

そして、熊の生活痕。丹波川両岸の山中では、熊棚を見る事ができます。他には、登山者向けの道標がバラバラにされているのも何度か見かけました。

そしてこれ。内側が乾燥していない、汚れてもいない、つい先刻ここで皮を剥いだような、ごく新しいクマハギ跡です。「クマハギ」とは、熊が樹木の外皮を剥がし、内側にある樹液をなめる行為の事です。

参考リンク : 樹皮剥ぎの見分け方 – 岐阜県森林研究所 –

すぐ近くに熊が居るかも知れない。苔の癒やし効果でボーとしていたところに、緊張が走ります。音、獣臭、ゆっくりと辺りを見回し足跡、姿が無いか確認します。

幸いな事に近くに気配はありませんでした。のんびりしている所に突然に緊張感を与えてくるとは流石です。ダウナー系とアッパー系を混ぜるようなもんですか。

これは心の動揺が隠しきれない時の写真ですが(ブレブレということです)、よく見ると付近には痛々しいクマハギ跡がいくつもあります。クマハギをされた樹木は、枯れてしまうことが多いらしいです。弱っている樹木が狙われるという話もあるので、自然による間引きと考えていいのか、それとも獣害なのか。

増水した川の様子を見に行く

危険なセリフですが・・・金山遺跡の見学も終わりましたので、増水した川を見に河原へ降りてみました。山吹橋の上からも川の様子は見えますが、やはり近くで流れ方、障害物への当たり方などを観察したい。

グリーンロードから、川へ降りる道がありましたのでそれを辿ってみると

路盤の下がえぐれているのが分かると思います。これはおそらく去年の台風19号の爪痕でしょう。

今回はそこまで増水はしていませんでしたが、なかなかの迫力です。盤が出ている所が無いか確認したかったのですが、濁っていて全く分かりません。その他、水中に障害物なども無いようです。平常時は平らな河原なのでしょう。

少し離れた河岸では、大規模な崩落が発生していました。このような土砂が下流へ流れ、盤を埋めてしまうのですね。

山梨は桃の季節!

「道の駅たばやま」の野菜コーナーをチェックすると、すももが売られていました。そういえば、ちょうど桃の季節です。

普段は夕方まで川をうろうろしているので、塩山へ下る事はあまりないのですが、今回は金山遺跡を見学しただけなので、この時点で13時をまわったくらい。

のめこい湯へ入りたかったけれど、桃の魅力に負けて、柳沢峠経由で塩山へ降りました。塩山で桃を二箱購入し桃三昧です。

生憎の雨模様でしたが、「金山遺跡と桃」で山梨を堪能した良い休日でした!

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