第7回 金山遺跡・砂金研究 フォーラム へ行ってきた (2019/02/02)

2019年02月02日、湯之奥金山博物館で「第7回 金山遺跡・砂金研究フォーラム」が開催されました。ちょいと長いですが、参加してのレポートになります。


昨年は予定が合わずに参加できなかった金山フォーラムですが、今年はばっちり予定を合わせて出席してきました!直前に、寒波が来たり、雪が降ったりしていたので道路状況を心配していたのですが、当日は晴天で真っ青な空が広がり穏やかな一日となりました。

何年か前、寝坊をして高速道路を飛ばし開催時間にギリギリ間に合った事がありました。今年はそんなことの無いように余裕をもって出発する事にしました。

少し早いけど出発

寒いです。途中、休憩に寄った「談合坂SA」の外気温です。ひとけの無いSA内で休憩しようと外へ出ると・・・

雪が残っていました。博物館のHPには雪があるとは書かれていませんでしたが、少し心配になってきました。

その後、しばらく走り境川PAの駐車場で仮眠です。自宅から湯たんぽを持ってきたので少し暑いくらいです。

3時間ほど仮眠をとり、外へ出ると、空はきれいに晴れ上がり、遠くに雪をかぶった八ヶ岳がきれいに見えました。

博物館に到着

甲府南ICで中央道を降り、途中の道の駅を冷やかしたり、ローソンを見つけるたびに「からあげクン レッド」を購入したりと一人旅を楽しみつつ博物館に到着です。

心配していた雪は影も形もありませんでした!

普段はまったく博物館へ足を運ばないので、展示をじっくりと見学しました。そうこうしているうちに、館長による「遺跡パネル展」のミニトークが始まりました。

遺跡パネル展ミニトーク

湯之奥金山の学術調査は、平成元年に始まったそうです。なので、30周年ということになります。それを踏まえて、過去やってきたこと、出した成果、そしてこれらの事の概要をまとめたパネルを館長が駆け足で解説して下さいました。

館長が紹介していた調査報告書は、PDF版がJAIROに登録されています。

湯之奥金山遺跡の研究
湯之奥金山遺跡第二次調査概報

館長のミニトークが終わると、いよいよ本会議が始まります。

第7回金山遺跡・砂金研究フォーラム本会議スタート

2018年度までの鉱山遺跡追加情報

出月館長から博物館事業のupdateセッションです。

  1. 栃代金山というあまり詳細が知られていない金山遺跡の調査を地元古老の協力を得て行い、石臼の存在を確認した。
  2. 南部町上佐野で工事中に発見された坑道跡を確認

この時代に石臼を発見できるとは驚きました。古い本を読んで、石臼が転がってた等と書かれている場所へ行っても見る事はほぼできないのに。あまり知られていない鉱山探索ということで、ぼくも龍喰金山を探索したりしてますが、石臼は見たことがない・・・

湯之奥金山博物館は、鉱山研究の中心的な役割を担っていきたいと館長がおっしゃられていたように、このような遺構が発見された時に連絡が入るというのは普段からの活動が認められている結果なんだろうなぁと思いました。

西オーストラリア州でのゴールド・ナゲット探査

オーストラリアの金ナゲットを探すツアー参加体験の発表。まず驚いたのが、金のナゲットを金属探知機で直接探索するというダイナミックな方法であること。

よくよく聞くと、日本の川で採れるような薄い砂金ではなく、厚みのある「粒」なので金属探知機で見つけられるのだそう。ただし、やはりというか、他の金属にももちろん反応するので、金属ゴミの反応に悩まされるというのは、金属探知機を使う場合の共通の課題なのだなぁと感じました。

  1. 「ライフルの銃弾が出てきたときは、ナゲットかと思い心が踊った」
  2. 「費用は北海道と同じくらい」

英語がご堪能ならではなのかな。費用は交渉次第となんども語られていたのが印象的でした。

砂白金を追いかけて

冒頭で砂白金の定義を解説して下さいました。ぼくもご多分に漏れず、プラチナを採っているのかと思っていました。「白金族」を採るのですね。

ぼくの知らない分野でどの話題も興味深かったのですが、万年筆の先に使われる合金は最初国内で採られていた砂白金が使われていたということには驚きました。

採集の報告が途絶え幻となった砂白金を探したい

蛇紋岩の脈から流れ出る川では、砂白金が採れるのではないか?という推論を基にして実際に採集記録が無い場所でも、砂白金を確認したそうです。こういうの面白くて興奮します。

ただ、砂白金は銀灰色(?)であまりきれいじゃないのが残念です。

先人に学ぶ、ゆり板の使い方と設計の思想

古来日本で使われていた砂金採取道具のゆり板。ぼくは使ったことがないのですが、パンニング皿にいろいろいなタイプがあるように、「ゆり板」にも細かいタイプが存在しているというお話。

  1.  大きければいいという物ではなく、最適なサイズがある
  2. 幅、長さ、深さで、回収率や処理速度が変わってくる
  3. 新しいゆり板形状の提案

実際に使ったことが無いのですが、これは使いやすいんでしょうか?会場の後ろに実物が展示されていたので触ってみましたが、使い方がイメージできませんでした。パンニング皿とは違ったテクニックが必要になるのでしょうかね。

夏に開催される砂金採り大会などで使い方の実演をしてもらえたりすると楽しそうだなぁ。

時間がなかったようで、解説はされませでしたが、制作方法の資料も載せてくれているので、チャレンジしてみたいなーと思いました。

伊豆の諸金山と砂金の考察

伊豆へは毎年海水浴に出かけています。去年は念願の土肥金山見学もはたしました。たしかに、土肥金山の資料館には、伊豆にある金山を紹介するパネルがありました。そこからヒントを得て実際に伊豆にある金山の下流で砂金の存在を確認しましたという発表です。

  1. 民家の庭に石臼が転がってる事がある
  2. 試した11河川中3河川で砂金を確認した

伊豆へ行くたびに、山から海までの距離が短いので、取れたとしても粉金が多いんだろうなぁと想像していました。今回の発表でもやはり、粉金の率が高いようです。ただ、うまい具合に寄せ場にあたれば、砂金が育つ可能性はあるのかなぁ。

今年海水浴へ行く時に、砂金道具も持っていったほうがいいんだろうか?

機械学習を用いた鉱山臼の復元

最近よく話題となる機械学習を鉱山臼の復元に利用できないか?という発表。題目を目にしたときに、学習用画像セットを集めるのが大変そう、とか、正しく推測できるのかしら?と疑問にあふれていました。

  1. サンプルは画像生成した物を用いた
  2. 教師画像を外れるような結果は出にくいが、予想外の物がでてくる可能性はある
  3. 結果を定性的に判定する仕組みが今後の課題

疑問点はすべて発表に含まれていました。まだ新しい分野なので試行錯誤ということでしょうか。機械学習の応用分野は広いですね。

会場からの質問も面白くて

  1. 土器などの判別や復元に応用できると研究者には嬉しいのではないか?
  2. 機械学習をつかって、砂金の溜まる場所を判別できるツールが欲しい
    → 砂金が溜まっている場所の教師データが必要だなぁ(笑

この(2)は、ぼくも考えたりしていました。ただ、元となるデータを集めるのが難しそうなのですよね。河川の形状からだけならそれこそ経験を積んだ砂金採りならば一瞬で判別しそうだし、かといって、川の流れを動画で撮り判別させるのはまだまだ技術的に難しそう。でも、とっても面白そうな分野です。

鉱石採掘方法の時代変遷と3次元レーダー測定の応用可能性

最初に「露天掘り」「露頭堀り」の用語解説がありました。古い時代、金の採掘方法として一般的な地面を掘り下げていく方法は、一般的には「露天掘り」と呼ばれているが、これらはすべて露頭を掘り下げる採掘方法なので「露頭堀り」と呼びましょうという提言。

ぼくがよく行くフィールドである、奥秩父方面では、この露頭堀り跡は普通に見られます。これからは露頭堀りと呼ぶことにします。

実はぼく、学生時代に洞窟をやっていました。洞窟に潜り、測量をしたり、まだ知られていない新しい枝道を探したりする趣味です。

3次元レーダーを使って、洞窟内(秋吉洞)のデータを取ったものを発表してくださいました。これは面白い。洞窟では、岩の割れ目から風が出ているかどうかで、その奥にホールがあるか推測していました。この3次元レーダーを用いれば、測量図よりももっと正確に奥の様子を推測する事ができるのではないでしょうか。

ただ高価な機材を持って狭い横穴を通過できるかどうか・・・あの高湿度で泥とコウモリの糞にまみれた環境に精密機械を持ち込めるのかどうかなど技術的な課題はあるでしょうが、とてもおもしろそうです。

スルースボックスの砂金回収率に与える転礫の影響を調べる実験

  1. スルースボックスに砂礫を投入する際、ザルを使わないと回収率に影響がある

これは、ぼくもどこかで読んだ覚えがあります。スルースボックスを使っている時に、大きな礫があるとスルースボックス内の水の流れに影響を与える(流速の速いところ、遅いところができてしまう)というのは、経験的に知っていました。流速が遅い場所に砂が溜まってしまい、その都度取り除かないとならないのが面倒です。

ザルを使えばそのような事はないのでしょうが、しかし、ザルはかさばるのです。持ち歩きにくいのです。畳めるような金網を作ればいいのかもしれませんが、できれば持ち歩きたくない。

そして注目の結果は

0.8mm以上の砂金回収率に影響は無い

とのことでした。粉は流れてしまうかもしれませんが、摘める大きさの砂金を流してしまう事はあまり無いという結論だそうです。

最近だいぶ老眼が進んできて、粉金は回収しないようなスタイルになりつつあるので、これで安心して(?)ザルを持ち歩かずにスルースを使えます!

発表を聞き終えて

普段孤独に砂金採取をしていて、砂金採取の話は、ネットで読む程度なので、どの発表もとても興味深く面白く聞きました。

それにしてもみなさん、目的意識を持って砂金採取をされているのだなと驚きます。普段、大きいの採りたい!とか、砂金の後の温泉気持ちいい!くらいしか考えてないぼくとは雲泥の差です。

砂金歴は6年目に入りました。そろそろなにかテーマを決めて取り組む時期なのかもしれません。と考えながら帰路につきました。

最後になりましたが、フォーラム開催にご尽力されている、発表者の皆様、応援団の皆様、博物館スタッフの皆様と館長、ありがとうございます。来年も楽しみにしています。

帰りの温泉

いつもは下部温泉駅前の「丸一食堂」で「ほうとう」を食べてから、下部温泉ホテルで温泉に浸かってから帰るのですが、なぜか17時になっても食堂が開く気配がありません。

お腹空いたまま温泉行ってもなぁと考えて、甲府南インター近くの「みたまの湯」へ寄ることにしました。

この「みたまの湯」は、夜景がとてもきれいに見えるという評判で、一度寄ってみたかったのです。

駐車場からの夜景です。露天風呂からも同じような景色を見ることができます。山梨の夜景が綺麗な温泉というと「ほったらかしの湯」が有名だと思いますが、ほったらかしの湯は、混んでいるし、脱衣所も中も汚いのが難点なのですが、この「みたまの湯」はとてもきれいです。休憩所も広くて、地元の人が多く来ているのも頷けます。

「第7回 金山遺跡・砂金研究 フォーラム へ行ってきた (2019/02/02)」への2件のフィードバック

    1. N村先生
      コメントありがとうございます。
      はい。参加できそうでしたら、どうぞよろしくお願いいたします。

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