山はどうしてできるのか

先日、ブルーバックス・シリーズが2000タイトルを突破したという記事(その1その2)を読みました。過去に何冊も読みましたが2000タイトルもあるとは驚きです。おめでとうございます。

ブルーバックス・シリーズ

ブルーバックス・シリーズは1963年に創刊されて以来、50年以上読み継がれている科学レーベルであり、一般向けのわかりやすい科学解説シリーズとしてスタートしたそうだ。

かくいうぼくも中学生時代にはブルーバックス・シリーズにはお世話になった(いや、いまもたまにお世話になる)。

中学生時代というのは将来どの方向へ進もうか?と言うことをおぼろげながら考え始める時期で、自分では文系よりも理系に向いているのではないか、と曖昧に感じてはいても、なにを勉強したいのかを知る術を持っていなかった。

そんな中学時代のたしかお正月だったと思う。初詣帰りに立ち寄った書店で、ブルーバックスシリーズの中の一冊を買ってもらった。もう現物は持っていないし、書名も忘れてしまったが、たしか相対論に関する一冊だったと思う。内容は中学生には難しくてよく分からなかった覚えがあるけれど、それを切っ掛けにして物理学を学びたいと決めた気がする。

それが良かったのか悪かったのかは分からないけれど、ブルーバックス・シリーズを手に取る時はそんな思い出がふと頭をよぎるのです。

書籍データ

書名: 山はどうしてできるのか – ダイナミックな地球科学入門 –
著者: 藤岡 換太郎
出版社: 講談社
2012年01月20日発行

目次

一合目: 山を見るための4つの視点
二合目: 山の高さとは何か
三合目: 論争の夜明け
四合目: 大陸は移動する
五合目: プレートとプルーム
六合目: 山はこうしてできる (1)
七合目: 山はこうしてできる (2)
八合目: 山はこうしてできる (3)
九合目: 日本の山のなりたち
十合目: プレートの循環、山の輪廻

地球科学の歴史から最新理論まで

山がどうやってできるのか?と問われた時に頭に思い浮かべる山は、ヒマラヤ?アルプス?富士山?それとも身近な裏山だろうか?

さすがです、この本は地球科学入門と銘打っているだけあって、山は陸地にあるだけではなく、海底からそびえる山もあるのだ。むしろ、海底の山の方が多いし高い物が多いと、陸地の山を想像していた読者を驚かせる。もちろん、ハワイ諸島が火山により作られた島がプレートの移動により、線状に並んでいると知ってはいたのだけど…海底の山の事は思い至らなかった。

プレートテクトニクスという考え方が比較的新しいこと(1960年代後半)、また近年(1990年代)ではプルームというマントル内の温度の異なる塊を考えて、それにより地球の(海底も大陸でも)火山活動(プレートの生成)が行われていること。

大陸移動説が初めてウェーゲナーにより1910年から1915年にかけて発表された。それから証明されるのにずいぶんと時間がかかったのは、様々な科学技術の進化を待たなければならなかった理由も分かりやすく解説されている。

その後、プレートの移動と衝突と沈み込みにより、隆起したり、溶けたプレートがマグマとなり噴火する事で山が作られると。本書のテーマに戻ってくる。

六合目~八合目までは、テーマになっている造山活動を分類し、実際の世界の山を例にして解説されている。

板(プレート)沈する国

九合目では、プレート境界上に位置している日本列島という地形の特殊性が解説される。3つのプレートが日本列島の手前で沈み込んでいる。日本というのはまさに「日出ずる国」ならぬ、「板(プレート)沈する国」である事がとてもよく理解できる。


一般向けのわかりやすい科学解説書という点で、ブルーバックス・シリーズらしい一冊といえると思う。一般向けと銘打っていながら突然難しくなってしまう書籍がよくある。が、この本は、そんなこともなく興味深く読むことができた。

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