山野を歩いている時に、この木はなんて木だろう?と思うことがよくあります。Google Lensが使えるところ(つまりネットに接続できていれば)おおよそ判別がつくことが多いです。しかし、山の中では携帯電話の電波が拾えない場所もまだまだ多いのです。
そんな時は写真を撮り、帰宅してからGoogle Lensや、図鑑をめくり調べるわけですが、できれば携帯できるサイズの図鑑が欲しいと思っていました。
図書館や書店へ行くと、たくさんの樹木図鑑が並んでいます。学術的に樹木を網羅していたり、写真が豊富だったり、里山や市街地などにターゲットを絞っていたりと、それそれが特徴を持って出版された図鑑です。しかし、山野を歩く時に調べやすいか?といわれると、どれも一長一短でなかなかコレ!という図鑑には巡り会えていませんでした。
葉で見わける樹木
この図鑑の特徴は以下の4つ。
- 葉っぱの特徴から樹木名を検索しやすい
- フルカラー
- 写真とは別に実物の「葉っぱ」をスキャンした詳細画像が載っている
- 持ち運べなくはないサイズと重さ (376 g)
- 野山、公園、お庭で見かける事の多い471種を掲載
外へ持ち出すのに特に重要だと思うのは、(1)と(4)です。
図鑑ですから調べやすいというのは大切な事です。また、持ち運ぶのなら軽いに越したことはありません。しかし、軽さを追求するあまり掲載数が少なかったり、白黒の写真だったりして「持っていったのによくわからなかった」と感じてしまうのなら、持ち出す頻度が下がり本末転倒です。
丁度よいサイズに十分な掲載数、そしてなにより、葉っぱの「フルカラースキャン画像」と説明が素晴らしいです。
利用実例
先日訪れた「マルケバ」の住居跡と思われる広場に、針葉樹がたくさん生えていました。実は、以前その辺りで天然の松茸を採ったという噂を耳にしていましたので、赤松赤松・・・とうろうろしましたが、見当たりませんでした。
赤松はありませんでしたが、自分には馴染みのない針葉樹が多く生えていました。これは何の樹木かな?と気になり調べてみました。
まずは、葉から分類します。
針葉樹 → 羽状 → 常緑
これでページが絞れました。次にそのページを開いて葉の特徴を調べていきます。
- 裏の葉脈の形
- 葉の根元にふくらみがある
- 葉の先端の形状
- 葉先がわずかにへこんでいる
- 無毛
これで「栂(ツガ)」と調べられました。この間わずか1分もかかっていません。すばらしいです。
書籍データ
書名: FIELD GUIDE 23 / 葉で見わける樹木
著者: 林 将之
出版社: 小学館
2010年 07月 19日発行
303ページ