以前ここに書いたような気がするが、砂金採取に興味をもったきっかけというのがまさにこの黒川金山周辺で囁かれている埋蔵金伝説だった。日本に住む普通の人にとっては、あの伝説のTV番組の影響で徳川埋蔵金が有名だけれど、実は日本各地に埋蔵金伝説というのは残されている。
埋蔵金伝説が残っていて自宅から程よい近さであり、過去実際に金が産出されている地域で、探検気分を味わえるという事で、実際に黒川金山跡へ行ってみた事もある。
埋蔵金研究家という人たちもいて、実態はよく知らないけれど、砂金採取を趣味にしている人の数よりも多いのではないだろうか。
黒川金山
説明は不要かと思われるが、簡単に紹介すると山梨県甲州市の北部位置する鶏冠山東面付近にあり、一説によると平安時代に開山し、戦国時代に武田氏の元で最盛期を迎え、武田氏滅亡と共に産金量が減少。江戸時代に大久保長安により産金量が増えたという話もあるが、その後閉山されたそうだ。明治には近代技術を利用し再掘計画が何度も持ち上がるが成功した例は皆無だった。
そんな黒川金山にまつわる歴史や著者が実際に山へ入り坑道を探した体験などが読みやすくまとめられた一冊である。
※(引用なのか著者の実体験なのか分からない箇所がたまにある)
他の本ではあまり書かれていない事が、さらっと書かれていたりするのでじっくり読むの新しい発見があるかもしれない。
- 黒川では灰吹法は使われていなかった
これなにかの埋蔵金本で読んだ覚えがある・・・ - 黒川金山の開山は大同元年と記録されているが、大同とは大同年間を指すのではなく「大変古い年代を示す記号」である
- 黒川金山は直山ではなく運上山(堀分山か?)で運営されていた
- 楠正重翁の「老いの徒然」<– 何が書かれているのだろうか?
後半は、丹波川川下りの話、埋蔵金伝説(畠山氏の著書からの引用)
Amazonですごい価格が付いてますが・・・山梨日日新聞社出版局に連絡すると定価で販売してくれます(\1165+tax)
ところで、この著者名どこかで見た覚えがあるなぁと思いつつ読んでいると、丹波川川下りの章を読んで過去にその人の本(かなり無謀な川下りの話)を読んでいた事を思い出した。
一ノ瀬から、救命胴衣を付け川を下り、あるときはゴムボートに乗ったりしつつ丹波川へ入りそのまま奥多摩湖まで下りきるという無謀な話。なかなか面白い。
書籍データ
書名: 戦国武田の黒川金山 – 多摩川源流の遠近境 –
著者: 大藪 宏
出版社: 山梨日日新聞社出版局
1995年 10月 10日発行
224ページ
目次
第一部: 黒川金山の興亡
第二部: 黒川山麓の里物語
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