12月に入ってからは、最低気温が1桁台の予想で、さすがに水に入って砂金を採る気にもなれず、自宅で大掃除を兼ねて資料の整理などやっていたりします。
金を探す楽しみ
砂金採取を始めて3年? 4年? になります。近頃ではボウズという事はなく、毎回砂金を手にできるのですが、いつもやっている場所では大きくても5mm程度が限界なようで別な場所を探したいと思い始めました。それとは別に、今採取している砂金が、どこから来た物なのか?という疑問も常に興味の対象ではありました。
そんな事を考えている時に、Sさんに昔の金山跡へ連れていって頂きました。
砂金採取では、上流からの供給があるならば、あとは砂金が集まる場所を探せば、金を手にいれる事ができたのですが、金の鉱脈を探すというのは、砂金とはまた違った面白さがありました。道中(ぼくは着いていくのに必死でしたが…)金鉱脈ができる原理や、地域、時代によって特徴が違うこと、等など今まで知らなかったを教えてもらい、来年からまた新しいジャンルに挑戦できそうです。Sさんありがとうございました。
1冊読んでみた
今までは砂金でしか、検索などしていなかったのですが、地質(?)やら鉱脈などのキーワードを交えつつ検索をしていくと、いくつか参考になりそうな本を紹介しているWebページがあり、その中でも簡単そうな本を一冊読んでみました。
書籍データ
書名: よみがえる黄金のジパング
著者: 井澤 英二
出版社: 岩波書店
1993年10月22日発行
目次
第一章: 日本列島は黄金の島
第二章: 菱刈鉱山はどのようにして発見されたか
第三章: 地球史のなかの金
第四章: 火山がつくった金鉱床
第五章: 日本列島の金鉱症の有りそうな場所
第六章: 地球資源としての金の将来
タイトルから想像する内容とは違うけれど、巻頭の「はじめに」を眺めればこの本が、鉱山の専門家によって書かれた啓蒙書である事がわかる。ある程度、地質の知識を持っている方々には少々内容的に物足りないかもしれないが、ぼくのような初めて地質の本を読む者にとってはとても読み進めやすかった(※地質に関する固有名詞はさすがにすべて解説されているわけではないので調べながら読む必要はある)
- 金鉱床には、種類があり、日本に多い金鉱脈の種類にナゲットは作られにくいこと
- 熱水鉱床の作られ方と、時代により東へ移動する傾向がある理由について
- 火山と温泉と金鉱床の関係
- 地球に存在する金は、コアに沈んでしまっていること
山相秘録が紹介されていた事には驚いた。(この巻物、結構有名なのね・・・) 昔の人が考えた金の探し方は、非科学的で納得できる根拠もなさそうに思えるが、経験から導き出される真実というか、なにかしらの正解も含まれいるんだなと感じた(金山草とかね)
読み終えてもいくつかの疑問は残る。が、この本をきっかけにして来年は自然金を探してみるのもいいかもしれない。
2013年に、「地震によって金鉱脈が一瞬で形成される可能性がある」というニュースが流れた事があり、その時は、ふーんと流し読みして終わっていたが、この本を読んだ今では、熱水鉱床以外で金鉱床が作られる新しいメカニズムがみつかり、地震や断層の多い日本では、まだ見つかっていない鉱脈が地下に多数あるのではないか?という期待を持って報道された理由が理解できる。
近所の古書店で買ったのだけど、アマゾンのが安かった。くやしい。