富士霊異記

以前紹介した、信玄の黄金遺跡と埋蔵金伝説と怪談シリーズ 全4集を書いた泉昌彦氏の著書である本書は、富士山に絞ったテーマで構成されている。以前、泉 昌彦氏の著書を買い漁っていた時期があり(買い漁るというほど出版されていないが)、その時に手に入れた一冊である。

雑多なトピックを52編に渡り集めている。氏の他の著書と異なり、出版当時の日本で流行していた70年代オカルトブームの影響が色濃く反映されているところが興味深い。

ぼくは、70年代生まれなので、幼少時代のUFO, 超能力ブームの記憶が薄っすらと残っている。ユリゲラーのスプーン曲げに子供心ながら何故スプーンなのだろう?と疑問に思ったものである。そんな当時の時代背景から、泉氏も「UFO」という単語を入れるように編集者からアドバイスされたのではないか?と想像するのもまた楽しい。

ところが、UFOという単語を使いつつも、江戸時代のUFO的物体の目撃情報を引っ張り出してくる辺りは、さすが泉 昌彦氏という他はあるまい。ここで面白いのが、「降毛」があったと書かれていることだ。オカルト好きな人ならピンとくる思うが、これはいわゆる、エンゼルヘア現象そのものである。

富士山周辺に泉氏とくれば、金山の話題が想像されるが、砂金、金山については目新しい話題は無く、残念ながら他の著書と重複した内容の繰り返しである。

以下に、小見出しをいくつか抜き出しておく。実際は、小見出しの中にもいくつか小話が挿入されている。富士山にまつわる伝説本として読むのならば、面白い一冊であること請け合いである。

富士には、金山と金山跡が多くある
岳麓には、奇病が流行することが多い
青木ヶ原に三本足のムジナがいるという伝説がある
富士山のクマは、葬式をする
富士山には、貪欲なネズミが異常繁殖している
富士山のタカは、人毛を集めて巣を作る
UFOは、富士山に集中して飛来している
富士山では、人や牛まで蒸発する
雨ヶ岳に雲がかかれば、六時間後に雨が降る
富士山の八合目以上では、雷は鳴らない
本栖湖には、ばく大な埋蔵金が沈んでいる

書籍データ

書名: 富士霊異記
著者: 泉 昌彦
出版社: 白金書房
昭和49年 11月 4日発行

目次

第一章: 富士山をめぐる人と伝説
第二章: 富士山に棲む生物たち
第三章: 富士山の超科学現象
第四章: 富士山の地質と気象

富士山霊異記

以前、2000円位で購入した気がするのだけど、ずいぶん安くなってしまった。。。

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