金が金色に光るのは相対論的効果の影響だそうだ

砂金採りの魅力は種々様々あると思います。

ぼくはメガネ掘りと呼ばれる、箱メガネを使い川の中から直接砂金をつまみ採る手法が好みです。川の中を探していると、砂金が金色にキラっと光るのです。この瞬間がとても好きなのです。

頻繁に行く川には、金雲母が大量に堆積していて川底が金色に光っているような場所もあります。この金雲母は「愚者の金」とも呼ばれていて、金と間違える方が多いのです。
※ 黄銅鉱の方が愚者の金と呼ばれている事が多いかもしれません。

下の写真に写っている金色の物は全て金雲母です。

しかし、見慣れてくると「金雲母の金色と砂金の金色は全く違う」事が分かってきます。金雲母がキラキラと光りまくっている川の中をのぞいていても、小さくても金の煌めきは目立ちます。

本物の輝きというわけですね。


さて先日、日経サイエンスを読んでいたら、金が金色に光るのは相対論的効果によるもので、相対論的効果が無い場合は、全波長を反射する為に白っぽい金属光沢の金属となる。という一文を読み驚きました。

相対論といえば、アインシュタインが100年と少し前に発表した時空の幾何学理論で、そこからは様々な直感に反するような事象が導き出されるアレです。宇宙論や素粒子の分野では相対論的効果が如実に現れてくるのは知っていましたが、こんな身近な金の色に相対論的効果が関係しているのか?と半信半疑で調べてみると、確かにそうらしい。

とはいえ、一般相対論ではなく特殊相対論の範囲かな?こんな感じに、速度 v が光速度へ近づけば近づくほど \gamma の値が大きくなり、質量が増えるというわけですね。

m^{'} = {\gamma} m_{0} \\ {\gamma} = \frac{1}{\sqrt{1 - \beta}^{2}} \\ {\beta} = \frac{v}{c}

とてもわかりやすい解説サイトがありましたのでリンクを張っておきます。

詳しくはリンク先のサイトを読んで欲しいのですが、簡単に箇条書きにすると

  1. 原子量が多い元素では補足されている電子の速度が上がる
  2. 電子の速度が十分に大きくなると相対論的効果により、電子質量が大きくなる
  3. 電子質量が大きくなると、ボーア半径が小さくなる
  4. それに引きずられ順位の高い軌道も変化する
  5. 高順位への軌道の遷移エネルギーが可視光域の青色に対応している為、青波長の光が吸収され、緑以下のエネルギーの可視光は反射される
  6. 赤 ~ 緑 を重ねると・・・黄色になる

というわけ。

へぇぇぇ?ボーアモデルでは電子が原子核の周りを回っているんでしたね。でも速度って分かるんでしたっけ。それに相対論的効果が現れるほどに速いのかな。

もしも相対論的効果が無ければ、金は「白い金属光沢を放つ柔らかい金属」だったわけで、金が金色で良かったなぁと心から思いました。

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