普段は昼間勤務で出社するとオフィスから一歩も外へ出ない生活をしています。が、たまに、深夜作業があったりします。ぼくもそろそろいい歳なので深夜作業は若い子にお任せして・・・と感じる一方で次の日が休みになるので、たまにはいいかなぁと思ったりすることも。
昨年の12月末日、久しぶりに深夜作業があり、簡単なメンテナンスだったことも幸いして電車の始発前に作業完了。始発まで寝るかと会議室で横になって起きたら朝の11時。ぐっすりと寝られたので神保町へ繰り出しました。
書泉グランデ
神保町といえば古書店街というイメージが強いと思いますが、この書泉グランデは普通の書店です。が、品揃えがマニアックで神保町へ行った時は、かならず寄っています。
今回ももちろん行ってきました。が!今話題のチバニアンの影響でしょうか。地質、鉱物関連棚の品揃えがガラっと変わっていて、ミネラのバックナンバーが無くなっていました(店員さんに聞けば裏から出してくれるのかもしれませんが)
ちらちらっと棚を見ていて気になって手に取ったのがこの書籍です。
はじめての地質学
小、中学生と火山の勉強を専門的にやりたいなぁと漠然と思っていた僕は、高校に進学した時、カリキュラムに地学が無いという事に愕然としました。第二次ベビーブーム(もしくは、団塊ジュニア)と呼ばれる世代のど真ん中でしたから、受験戦争に生き残るためには、1年生は化学を2年生では物理or生物を学び、受験科目として使いにくい地学は選ぶことすらできなかったのです。
大学へ進学すると他の事に夢中で・・・かろうじて、他学部の助手さんが個人的に開いていた地学ゼミで天体観測や化石採取などは体験しましたが、すっかり昔の夢など忘れていました。
それが、20年弱も経ってから地質学の本を購入するとは思いもしませんでした。
地質学がとっつきにくい理由の一つとして、用語の多さにあるのではないかと思います。書店でよく見かける岩石、鉱物図鑑というような本は、様々な種類、名前の付いた岩石写真が載っています。眺める分にはきれいでいいのですが、基礎的な知識無しに読むからか混乱してしまいます。
例えば、火成岩という区分の中に1. 火山岩 2. 深成岩 があるというのも名前の付け方を間違えていると思いませんかね。1も2も火成作用によって作られたから、火成岩というのはわかるのですが。もう少しなんとかならなかったのかと。
この本でも、用語(別名も!)が多数登場しますが、それぞれなぜそのような名前で呼ぶのか、なぜそのような分類をするのか理由と一緒に紹介されるので、頭の中を整理しながら読み進められます。(それでも混乱しますが・・・)
この本は、ぼくのような系統だって学んだことが無い人にもわかりやすく、しかしあまり省くこともなく概要を解説してくれている点が素晴らしいとおもいます。
興味を引いたトピックを列挙すると
- 岩石の分類方法はたくさんある。何に注目して分けるのかに留意することが大切
- 地質図は見るのではなく読む物である
- チバニアンのように時代の名前は地名から取られる事が多い
- 日本のジオパーク紹介
書籍データ
書名: はじめての地質学 – 日本の地層と岩石を調べる –
著者: 日本地質学会 編著
出版社: ベレ出版
2017年 9月 25日発行
目次
第一章: 地面の下はどうなっているのだろうか
第二章: 地球の内部はどうなっているのか
第三章: 地質学が歩んできた歴史
第四章: 日本列島はどのようにしてできたのだろうか
第五章: 大地のおくりもの地下資源
第六章: 地震国・火山国に暮らし大地に根ざして生きる
第七章: 日本各地の地層・岩石の特徴と地形風景の見方・楽しみ方