龍喰金山は龍喰谷右岸金場沢付近にあるとしている文献が大多数をしめているのは、以前からblogでも書いている通りです。また、金場沢が龍喰谷と合流する辺りの左岸付近に精錬場の滝と呼ばれる滝があります。そこへ左岸からぶつかる尾根に、精錬場尾根という名前がついています。
精錬場の滝へ通じる尾根だから精錬場尾根?それとも左岸に精錬場があったの?と疑問が出てきたので、左岸の精錬場尾根を歩いてきました。
精錬場というからには、比重選鉱する為の流水があり、作業場としてテラス状地形が残っているような場所がみつかれば、きっと近くに鉱石を採った坑道、または、露天掘りの跡がみつかるかもしれません。
アプローチは2通り考えられます。
1. 精錬場の滝から尾根を直登する
2. 一之瀬川と龍喰川出合い付近の尾根を登り、小ピークから精錬場尾根を下りる
1. は、楽そうなのですが精錬場尾根が幅の広い尾根なようで、確実に取り付く自信が持てない。という理由から、2. を選択しました。
まずは一之瀬川~龍喰谷出合いを目指します。いつもの場所に車を置いて、一之瀬川を渡渉します。今回は急な尾根を登るので、渡渉用サンダル(ドンキで1000円)で一之瀬川を渡ってから登山靴に履き替えます。
出合いから最初の滝を巻く道が左岸についています。ここから尾根へとりつきます。
しばらく登ると僅かながら踏み跡らしき物がみえたので、それを辿ります。目的の場所へ向かうかどうかは地図とコンパス、GPSを確認しつつ登っていきます。
が、ふと気づくと踏み跡を見失ってしまいました。地図を見ると少し南側へより過ぎていて尾根から外れつつありました(1200-1250m付近)。そのまま強引に上がり、なんとか尾根道に戻るとまた踏み跡が現れました。
ところで、この尾根道には所々にピンクのリボンがついています。この尾根道は、直近で誰か歩いているようだなぁと進んでいくと目の前に、リポンの束がビニールに入って落ちていました。
濡れた形跡はないし、ほんの数時間以内に落としたかのような・・・・辺りを見回しましたが、人影はありませんでした。そのまま、進むと、ぼくの行きたい方向ではない東側へ続いていたので、踏み跡と別れ精錬場尾根とぶつかるピークを目指しました。
小ピーク上で撮ったパノラマ写真です。
左が西(登ってきた尾根)、右が東です。正面が精錬場尾根になります。
踏み跡は不明ですが、まっすぐ北へ進みます。
さて、いよいよ精錬場尾根を下ります。降り始めると、すぐに写真のようなテラス状の平坦な地形が現れます。が、しかしこのような地形はたまに見かけるので、これがテラスなのかどうか・・・・
そのまま降りて行くと右手に沢(この時は涸れていた)が現れます。その沢の両側にまたまた平坦な地形が広がっています。なぜかこんな写真しかないのが悔やまれます。。。
涸れ沢にはまるで丸木橋のような大木が倒れていたりと不思議なのですが、人の気配が伝わってくるようです。
広々として、風も涼しい、居心地の良い場所でした。
精錬場尾根は、とても緩やかな尾根で、気を抜くと尾根から外れてしまいます。
最後に載せたGPSトラッキングを見るとわかるのですが、ぼくの歩行コースは最初から沢沿いのテラス状地形に吸い寄せられて、そのあと慌てて尾根に戻ろうとしたところ気づいたら通り越して隣の尾根に乗っていました。ダメすぎです。
最初の計画では精錬場の滝へ降りて水源巡視道を通り二ノ瀬へ戻るつもりでした。が、面倒くさくなりそのまま斜めに一之瀬川~龍喰谷出合いを目指しました。
丁度龍喰谷へ降りたところで、タープを張って涼んている二人組が川向うにいました。挨拶しようとしたのですが、川向うで背中を向けていたのでタイミングを失ってしまい気まずいまま下山しました。
今回の山歩きで、精錬場尾根東側の沢付近にテラス状の地形を確認する事ができたと思っています。そこが精錬場だったのかどうかわかりませんが、この場所に言及している文献はあまりないのではないかと思います。
上の図の緑の枠が広々としたテラス状地形が確認できた場所です。
ここを歩いてみたい人はあまりいないと思いますが、もしも行かれるのでしたら、地盤が大変脆くなっているので落石には十分気をつけてください。下山中に一回落としてしまって止めるために10m位ダッシュしました。
こんにちは。
地図を見ると、ずいぶん南の尾根なんですね。
もっと竜喰沢の上流部かと思っていました。
テラスは金属探知機とか持って上がると面白そうですね。
空き缶とかはあまりなさそうなので、探しやすそうです。
> Gakuさん
コメントありがとうございます。
今回入った場所は、出合いから近いのでアプローチしやすいと思います。
たしかに空き缶やら針金はなさそうなので、誤検知は少なそうですね。
金属探知機が反応したらドキドキですね(笑
原全教の本に、もっと上流域に坑道があるとの記述が見られるので
そのうちに探してみたいとは思っています。
こんにちは。
楽しく拝見させて頂いております。
竜喰谷の上流部に砂地にキラキラ金色に光る何かが大量に混じっている区間が
あるのですがもうご覧になりましたか?いつも「これは金なのか?それとも
バーミキュライトみたいなものなのか?」と疑問に思いながら通過しております。
大小屋沢出合くらいまでくるとほとんど見かけなくなるので不思議です。
あと竜喰谷その一の最初の写真は精錬場ノ滝の落ち口の右岸側の穴でしょうか?
こういう穴であればニノ瀬から精錬場ノ滝の落ち口まで続く道沿いに4~5箇所ほど
見かけました。金鉱事情には疎いのですが昔の人はよくもまあこんな場所掘ったなと
関心してしまいます。
コメントありがとうございます。
> 砂地にキラキラ
砂金は重いので砂地では砂の下へ沈んでいってしまいます。ですから、それは金雲母と呼ばれる物だと思います。またそこへ行く機会があれば、一つつまんで爪で潰してみてください。
バラバラに崩れたら雲母です。伸びたら・・・金かもしれません。
https://gbank.gsj.jp/geonavi/geonavi.php#15,35.83048,138.87265
地質図を読むと龍喰周辺は地質が変る境目になっているのが分かります。この花崗閃緑岩の層に雲母が含まれているため、龍喰では金雲母が混ざっています。お隣の大常木には金雲母はまったく無いのもこれで説明できます。
> その1の写真
その通りです。水源巡視道沿いにある穴です。いつ掘られたのかわかりませんが、きっと
あの辺りにはたくさん穴があったのでしょうね。