[書籍] 地底の科学

地下という言葉からイメージする対象は、人それぞれだろうと思う。”一般的に”という言葉でまとめるのは難しいが、都市部で生活をしていて、地下を感じるのは地下鉄に乗る時、地下通路を移動している時くらいではないだろうか。

この本では、地下という調べにくい対象をどのように観察するか?という難問について解説している。目次をみると分かるように身近な地下1mレベルから地質的な100km, 1000kmレベルの地下をどのように調査するのか?をメインテーマとして解説している。もちろん、一般向け書籍なので興味を持った分野についての詳細は別な本を参照して欲しいというスタンスである。

普段の生活の中で地下の様子を調査したいなどという事態に遭遇する事はまずほとんど無いはず。そのような非日常的なテーマでありつつも、案外身近なものであるのだよと感じられるよう、話題を広げている所が興味深かった。

  • 地下インフラ(水道、ガス管)のメンテナンス
  • 地下水の追跡
  • 地盤調査
  • 地下資源探査
  • 火山、地震予知

このように一つのテーマでありつつも応用される分野がとても広いのだと納得させてくれる書籍は読んでいて楽しい。

最初は、地下を見る方法について。地中レーダーや電気探査の概要と応用分野。結果の解析は職人芸と書かれていますが、これまさに機械学習(AI)による画像分析に最適ではないかな?

菱刈鉱山の発見についても触れられています。こちらは空中電磁探査が切っ掛けだったそうです。重力異常だったら面白いのに。

次に更に大深度探査の方法であるMT法(電磁探査)について軽く触れられ、いくつかのバリエーションが紹介されている。どれも大規模で一生触れる機会はなさそうだけれど、どれも地道な世界だなぁ。

より深い所の探査では、人工地震を用いた調査が紹介されています。プレートテクトニクスを物証からではなく直接的に観測してしまおうというものです。いくつかデータが載っていますが確かに見えています。

本書とは関係無いが、福島の原発で溶けた燃料棒をミューオンを使った調査方法が実用化されている。先日、その技術を使い、エジプトのピラミッド内の隠された空間調査に利用され、成果を出した。というニュースが配信されていました。

見えないものを見るというのは、なんだかそそられます。

書籍データ

書名: 地底の科学 – 地面の下はどうなっているのか –
著者: 後藤 忠徳
出版社: ペレ出版
2013年 10月 25日発行

目次

第一章: 1mの地下 – 暮らしと地下世界
第二章: 10mの地下 – 地下水を追跡しよう
第三章: 100mの地下 – いろいろな地下資源
第四章: 1000mの地下 – 地熱・石油・原子力
第五章: 10000mの地下 – せまりくる巨大災害
第六章: 100000mの地下 – 日本列島の地下深部
第七章: 1000000mを越えて – マントル大量と惑星の進化


今年はあまりblogを更新できませんでした。来年はもう少し更新頻度をあげられたらいいなと思います。よいお年を!

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