第11回 金山遺跡・砂金研究フォーラムへいってきた(2023.02.04)

金山遺跡・砂金フォーラムは毎年1月末から2月初頭にかけて開催されています。2023年の金山遺跡・砂金研究フォーラムは 2023年2月4日(土)に開催されました。新型コロナウイルスの流行が完全に無くなったわけではありませんで、今年は規模縮小なのか、登壇者は4名で開催時間も 13:00 – 15:30 までと短めになっています。

昨年のフォーラムは私用で予定がつかず悲しい思いをしましたので今年は予定を空けて無事に参加できました。以下、簡単ですが参加してのレポートです。

到着(結構ギリギリだった)

少しだけ出発が遅くなってしまい(10:00頃)途中寄り道もせずに行ったのですけれど、湯之奥金山博物館へ到着したのは12:40頃。結構ギリギリでした。ほとんど渋滞はしていないかったのですけれど、中部横断自動車道を通らずに、甲府南で中央道を降りたのが敗因だったのかも。

入館と受付をすませ会場へ入るとすでに皆さん着席されていて、スクリーンにはなにやら映像が流れています。座席に落ち着き映像を観ているとテレビ番組の一コマで、久間先生が進めている佐渡金山の坑道調査の内容でした(TVニュース番組のコーナーで紹介されたのかな?)残念ながら途中でフォーラム開始時刻になってしまい最後まで観られなかったのですが、YouTubeでも観られますとアナウンスされていたので探してみると見つけました!
※ 11分くらいの動画です

フォーラム開始

開会のお言葉の中で、昨年は湯之奥金山博物館が開館して25周年。つまり、年度で言えば今回の金山遺跡・砂金フォーラムは開館25周年記念のフォーラムという事になりますね 🙂 というお話がありました。25年もすごいことだけれど11年開催されているフォーラムもすごいです。講演されている方々、開催にご尽力下さっている方々に大感謝です。

25年前といえば前世紀の20世紀。ぼくはまだ学生をしていました。もしその頃に砂金採りを知っていれば、最近探している、今は埋もれてしまい場所が分からなくなってしまった砂金小屋跡なども残っていたかなぁ?なんて考えているうちに講演がスタートしました。

ロシアの砂金掘り道具 ロトーク(лоток)の製作法

ロシアで使われている砂金掘り道具で、ゆり板の真ん中が凹んだ形状の道具。サイズは特大から小まであって左右の板?が広がっていたり狭まっていたり、底板にリッフルがつけられていたりと様々なバリエーションがあるそう。一見、このような道具にはリッフルがある方が効率的に砂金を選別できる気がするけれど、紹介されていたサイトによればリッフルは無い方が良いのだとか。

リッフルが無い方が良い事についての根拠はあるのか?という質問に「ロトークは、なかなか砂が流れていかない道具なのでリッフルがあると更に選別が遅くなる」「ロシア人は気が長い性格の人が多いからじっくり選別するのかも」という回答にへーーー。そのお国の道具には国民性も反映されるんですね。おもしろいです。

講演されている最中に自作されたロトーク(лоток)の実物を回して下さったので、実物をじっくりと眺めると湾曲した部品は無くて平板で構成されているようにみえました。これ、うまく分解できて現地で組み立てられるように作れたら可搬性が高いのでは?と思いました。が、お皿もザックの外にぶら下げればそんなに邪魔にはならないか・・・

フォーラムが終わった後で1Fの水槽で実演されていましたが、ぼくは外に妻が待っていたので実演は見ませんでした。めったに無い機会だし少し触らせてもらえばよかった かもなぁ><

なお、лоток はtrayといった一般的な単語だそうで золото (GOLD) をつけて лоток золото と検索しなければ砂金道具は出て来ないようです。

岐阜県高山市落部金山の探索

0.5mメッシュ DEMデータセットの素晴らしさをこれでもかと魅せてくれる発表でした。ぼくが調べている場所は5mどころか10mメッシュしか公開されていない地域なので、0.5mメッシュを利用できる地域の方々がほんとうらやましいです。

石英を含む岩片が散らばっていた場所を上に登ったところにまぶの開口部を発見したそうで、その場所がCS立体図上でも「なにかある」と判別できたというのも驚きです。

質疑応答で「いつの時代の間歩なのか?」という質問が出て「江戸中期から後期または昭和」よくわからないと答えられていました。ぼくが参考にしている資料によれば、ぱかーんと(下品に?)口を開けている間歩口は近年(昭和)の試掘坑跡であると書かれていました。実際のところ、わりと近年のものなのかもなーと思いながら聞いていました。

ポーランドでの世界砂金採り選手権大会と米国での砂金掘り

2022年の世界砂金採り選手権大会はポーランで開催されたそうで、家族にポーランド行きを引き止められてしまったおっしゃられてました。当然だとおもいます(笑)

講演者さんが毎回、話をして下さる海外事情は驚きに満ちていて、今回は「常設」の砂金採り大会会場。という施設が存在している事に驚きました。土地が余っているのかしら。それとも砂金採り競技が国民的スポーツだったり?

その常設砂金採り大会会場の設備写真を資料に載せてくれていたのですが、コンクリート製の水槽でどうやって競技するのだろう?と理解できませんでした。やっぱり、同じように感じる方がいらっしゃいまして「その施設でどのように競技を行うのか?」と質問されていました。「水槽の中に入って競技するんだ」という答えにもちょっとイメージがわかなくて、帰宅してから大会の様子をググり納得しました。


出典: https://sagoldpanningassociation.co.za/2022-world-gold-panning-championships/

アメリカ、カリフォルニア州での砂金採りツアーのレポートもありました。$30/day 程でその鉱区で掘らせてもらえるそうですが、1週間、1ヶ月掘り続けている人もいるのだとか。いまもゴールドラッシュは続いているんですね。近くで掘っていた親子連れが1cmくらいの大粒をゲットしていたそうです。そういうの悔しいですよね、わかります。

で、やっぱり最後に ラスベガスへ寄ったそうです 🙂 (‘Hand of Faith’ を見に)

飛騨の金山を歩いて~諸金山の追加調査

飛騨にある、あまり知られていない金山を含めて 6つの金鉱山跡の現地調査をしましたという報告。

CS立体図で当たりをつけ、実際に現地へ足を運び地形を確認。CS立体図からはテラスはもちろん水路も読み取れる為、調査効率が良さそう。現地には「池」の跡地があるそうですが、池は鉱山跡では一般的なんだろうか。

あまり知られていない史跡はCS立体図だけではなく日本金山誌や村史などの紙資料をはじめ、地元の方にもお話を聞いたりと多方面からの調査力が必要不可欠だと感じました。あと体力も。

終わりに

お二方がご指名を受けて、しめの挨拶をされていました。

思うところは同じなようで、毎回新しい事に触れられて素晴らしいと。

ぼくも毎回新しい事を知り刺激を受け今年「は」もっと山へ川へ入ろうと決心して帰宅します(年末になると、今年もあまり行かれなかったな・・・と反省するのですが)

フォーラムに来なかったら知らなかったであろう事柄は数知れず、毎年開催に尽力して下さっているフォーラム関係者の皆様、そして博物館の皆様にあらためて感謝いたします。

帰りは温泉へ

フォーラムが終わると温泉へゴーです。山梨県には温泉がたくさんあり、帰り道沿いだけでもいくつも温泉施設があります。以前は下部温泉ホテルの温泉をはじめ、帰り道沿いの温泉を順々に試したりしていましたが、ここ最近は「みたまの湯」に寄っています(甲府南I.C.に近いです)

  • 夜景がきれい
    • 絶景です
  • 遅くまで営業している
    • 休憩室で仮眠してから帰れる
    • 浸かる→出る→ご飯→仮眠→浸かる→帰宅
  • 館内が広い
    • 人が多くてもゆったりのんびりできる

モール温泉は硫黄泉より保温力が弱い気がしなくもないですが、みたまの湯の源泉温度は44.9℃。丘の上に建っている為か風が冷たいので高温の温泉が心地良いです。体はぽかぽか頭は冷えている、というまるで雪見風呂ですね。

途中で談合坂S.A. に寄ったりしながらのんびり走り、帰宅は0時ころでした。充実した良い一日でした。また来年を楽しみにしています。

ありがとうございました。

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