[書籍] 小野田寛郎は29年間、ルバング島で何をしていたのか

タイトルに釣られて購入。タイトルに加えて、袖にも読者を読みたくさせる文章が載っている。

しかし、残念なことに「袖に書かれた文章」に興味を引かれた読者を突き放すような章が冒頭に用意されている。10ページ程立ち読みすれば、インタビューに失敗した事が判るところは、著者のせめてもの良心だろうか。

この本は小野田寛郎のインタビューに失敗した著者が、陸軍中野学校関連の取材を続け収集した資料等から「小野田寛郎は実は秘密の任務に従事していたのではないか?」というテーマの根拠を説明した一冊である。

陸軍中野学校という表には出しにくいテーマの為、書けない事がおおいのだろうか、歯切れの悪い文章が続き、そのまま最後まで決定的な証拠が無いまま推測の域を出ない結論で終わってしまう(多分書けない事が多く、資料も無いのだろう)


関係者が逝去されほとぼりが冷めたのか、2000年に入ってから表に出せなかった内容を盛り込んだ戦後の歴史再考本がポツポツと出版されています。

柴田哲孝の「下山事件」は、2005年出版。

2008年出版。

2013年出版。

2014年出版。

2015年出版。


本書もそのような本の一種、それも陰謀論依りのオカルト本と考えれば、タイトル負け(失礼!)しているとはいえ、興味深く楽しめました。

また、「GOLD WARRIORS」の矛盾点考察などは、埋蔵金あるあるな内容で面白かった(例えば畠山氏の著書には多数の意図的と思われる間違いが存在する)

書籍データ

書名: 小野田寛郎は29年間、ルバング島で何をしていたのか
著者: 斎藤 充功
出版社: 学研パブリッシング
2015年6月9日
295ページ

目次

序章 : スパイ・アカデミー
第一章: 英雄の軌跡
第二章: 見えざる戦争
第三章: 疑惑のセレナーデ
第四章: フィリピンの金塊と「GOLD WARRIORS」
第五章: “金塊”はフィリピンに眠っている
第六章: 運命のゴールド・コイン
終章 : 29年間の真実

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